空の箱

完全在宅 programmer の日常

単巻完結するおすすめのラノベ青春小説を紹介する

ラノベを嗜み始めて十余年になるが、ここ1,2年で読んだ単巻完結するおすすめのラノベ青春小説を5つ紹介する。

長編のそれはなかなか手を出しにくいが、単巻完結なら休日の午後とかで全然読み切れるのでぜひ。

君のせいで今日も死ねない

無料でも読めるよ!

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陰キャでも陽キャでもない、カーストもそこそこの俺。 けれどある日、屋上でばったりと「神に愛された完璧な美少女」と 名高い三峰彩葉が飛び降りようとしているところに遭遇する。

「放っておいて。私、もう死ぬんだから」

 そんな彼女を止めて以来、二人で過ごす日々が始まった。空 き教室でピザを食べたり、夜のプールで花火をしたり。「私、 君といるのが楽しいのかも」「君のせいで死ねないじゃん」他 人の視線に怯えつつも、そっと心を開いてくれた三峰。“完璧 な自分”の仮面を取った彼女は、子どもっぽくも可愛くて――。

 これは悩める美少女を、平凡で幸せな青春へと導く物語。

飴月先生は何冊か商業誌も出していますが、特に思春期の少年少女が抱える悩み、特に"存在証明"という部分にスポットを当てて描写するのがとても上手な印象がある。

そして、その"存在証明"のために一組の少年少女を化学反応させるのが巧妙。

この作品は思春期の悩みと恋という要素がいい塩梅でブレンドされていて、読んでいて飽きることなく最後まで楽しめるはず。

面白かったら、スピンオフもあってこっちもおすすめ。

優雅な歌声が最高の復讐である

俺からサッカーを取ったら何も残らない。 挫折から立ち上がる、少年と歌姫の物語。

俺は怪我でサッカーを辞めた。他にやりたいことなんてない。そんな灰色の高校生活で出会ったのが、歌姫の瑠子だった。学校中に注目される瑠子は、夢を失った俺には近寄り難いけど、その瑠子から合唱コンクールで指揮者に指名された。なんで俺が――? 私は歌えなくなってアメリカから帰ってきた。クラスのみんなは歌姫「RUKO」に期待している。でも、本当のことを言えず辛い時、サッカーをやめて無気力になった隼人がいつも助けてくれる。隼人はかつては眩しかった。私のことは覚えていないみたいだけど、また輝きを取り戻して欲しいと思ってる――。

挫折した主人公と、かつての主人公の輝きを取り戻そうと陰で奮闘するヒロインの話。どこかイケパラ味があるが、あそこまでコメディに振ることなく、やはり思春期の少年・少女の悩みにフォーカスしているところが青春小説全開で素晴らしい。

こうして彼は屋上を燃やすことにした

「鳥肌モノ」と麻枝准が賞賛した、青春小説

「他に好きな人ができたんだ」 「い、嫌だっ」

彼氏のアメくんにフラれて生きる希望を失った私は、衝動的に学校の屋上へと向かう。身を投げるために。 けれどそこで私は、「ライオン」「ブリキ」「カカシ」と『オズの魔法使い』になぞらえて呼び合う奇妙な3人と出会う。

みんな私と同じように死にたいと思っていて、だけど3人は「復讐してから死ぬんだ、あなたもそうしませんか」なんてあっけらかんと言う。拍子抜けして、自殺する気がしぼむ私。

そして、アメくんとの思い出に彩られていない唯一の場所である屋上へと、日々、私の足は向くことになる――。

青春小説なんだけど、結構序盤から伏線がしっかり貼られてる。この作品の上手いところはタイトルの時点で「彼って誰?」と読者に思わせるところ。序盤からずっと疑問を抱きながら読み進めることになるので、クライマックスで伏線が噛み合った時はめちゃくちゃ気持ちいい。

サンタクロースを殺した。そして、キスをした。

クリスマスを消すため僕は少女の恋人になる。 聖夜を間近に控え、街も浮き立つ12月初旬。先輩にフラれた僕は、美しく輝く駅前のイルミネーションを眺め、どうしようもない苛立ちと悲しさに震えていた。クリスマスなんて、なくなってしまえばいいのに……。そんな僕の前に突如現れた、高校生らしい一人の少女。

「出来ますよ、クリスマスをなくすこと」

彼女の持つノートは、『望まない願いのみを叶える』ことが出来るらしい。

ノートの力で消すために、クリスマスを好きになる必要がある。 だから――

「私と、疑似的な恋人になってください」

第14回小学館ライトノベル大賞、優秀賞受賞作品。 これは、僕と少女の奇妙な関係から始まる、恋を終わらせるための物語。

こうして彼は屋上を燃やすことにした』と同じく、これもまたページを半分ほどめくったあたりから急激に物語が展開していき、伏線回収がとても気持ちいい作品。

青春小説×SFっぽい要素も孕んでるので、物語シリーズや青ブタが好きな人に刺さるかも。

夏へのトンネル、さよならの出口

時空を超えるトンネルに挑む少年と少女の夏

「ウラシマトンネルって、知ってる? そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入るの」 「なんでも?」 「なんでも。でもね、ウラシマトンネルはただでは帰してくれなくて――」 海に面する田舎町・香崎。 夏の日のある朝、高二の塔野カオルは、『ウラシマトンネル』という都市伝説を耳にした。 それは、中に入れば年を取る代わりに欲しいものがなんでも手に入るというお伽噺のようなトンネルだった。 その日の夜、カオルは偶然にも『ウラシマトンネル』らしきトンネルを発見する。 最愛の妹・カレンを五年前に事故で亡くした彼は、トンネルを前に、あることを思いつく。 ――『ウラシマトンネル』に入れば、カレンを取り戻せるかもしれない。 放課後に一人でトンネルの検証を開始したカオルだったが、そんな彼の後をこっそりとつける人物がいた。 転校生の花城あんず。クラスでは浮いた存在になっている彼女は、カオルに興味を持つ。 二人は互いの欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶのだが……。

映像化もしててそっちもおすすめ。

『サンタクロースを殺した。そして、キスをした。』と同じく青春小説×SFな作品。

思春期の少年・少女が持ってる"閉塞感"をうまく描いていて、そこを突破するための不思議現象という展開が上手いところ。

読後に「結局今を精一杯頑張ろう」と思わせてくれるところも好き。

おわり

単巻完結するラノベ青春小説をオールウェイズ求めて生きてるので、おすすめがあれば教えてほしい。

たぶん結構読んでると思うので、「絶対知らなさそう」な作品だとありがたい。